ダウンジャケット選びに迷ったら! 選び方のコツやおすすめのブランドを一挙紹介

もともと釣りの防寒具として開発されながら、今ではカジュアルシーンはもちろんフォーマルなシーンでも重宝されるダウンジャケット。年齢や性別を問わず冬の季節には欠かせないアイテムとなったダウンジャケットは、現在では各ブランドから様々なラインアップが出揃い、逆に何を選んだら良いか分からないという方も少なくないのではないでしょうか。そこで今回は、ダウンジャケットを選ぶ時に気をつけたいポイントから手入れの仕方、さらには人気のブランドまでご紹介。自分にあったアイテムを手に入れてみてください。
目次
そもそもダウンジャケットとは?素材と特徴を紹介
ナイロン素材をキルティング加工したものを総じて「ダウン」と呼びがちですが、実は本来、ダウンジャケットには細やかな定義があります。それでは本当のダウンジャケットとはいったいどんなものなのか。まずはそのあたりから触れてみたいと思います。
どんな素材でできているのか?
ダウンジャケットを定義する上で最も重要な要素が詰め物としている素材で、ダウン(羽毛)が用いられているものだけがダウンジャケットと呼ばれます。なお、この羽毛も何を使っても良いと言うわけではなく、一般的に水鳥ものが使用されます。なぜ、陸鳥の羽毛ではいけないのかと言うと、陸鳥の羽毛は平面的な構造をしているため、保温性や弾力性に乏しく、さらに着た人間の体内から発生する汗などの吸湿、発散性に劣るためダウンジャケットの素材としては不向きとされているのです。
一般的にダウンに用いられる羽毛の種類は12種類と言われていますが、大別すると「ダック(あひる)ダウン」と「グース(ガチョウ)ダウン」の2種に分類されます。
また、ダウンジャケットの取り扱い表示タグをご覧になった方のなかには、ダウン(羽毛)のほかに、フェザーと書かれていることに気づいた方もいるかもしれません。そこでダウンとフェザーの違いについてもここでご紹介したいと思います。
ダウンとは羽毛のなかでも水鳥の胸元に生えている放射状の細かい羽毛のことを言い、その毛はふわふわの質感です。なかでもタンポポの綿毛のような形をしたものは、特にダウンボールと呼ばれています。そしてこのダウンボールが大きいものほど良質なダウンとされています。一方でフェザーは羽軸が中央に通っている硬い羽根の意味で、保温性が高くないかわりに通気性が良いのが特長です。
一般的にはダウンとフェザーを混合して弾力性を出しており、価格が安いものほどダウンよりフェザーの割合が高いと言われています。しかし、どちらが良いかは人によって異なります。例えば、真冬でもダウンジャケットを羽織っていると汗をかいてしまう、と言う方であれば、100%ダウンよりも、一部フェザーが含まれている方が快適な可能性があります。
いずれにせよ、ダウンかフェザーが詰められているものがダウンジャケットであり、ナイロン素材をキルティング加工しているアウターでも中身が中綿(着物・ふとんの中に入れる綿で、主にポリエステルなどの化学繊維やキュプラなどの植物からできる再生繊維でできている人工的に作成した綿)のものは、厳密にはダウンと呼ばないのです。
流行りのシームレスダウンとは?そのメリットとデメリット
最近、人気があるシームレスダウンについても触れてみたいと思います。当然ですが、ダウンと呼ぶ以上、なかに詰めているものは同じ。それでは何が他とは違うのでしょうか。
シームレスダウンは従来のダウンジャケット特有のステッチ(縫い目)を限りなく減らしているため、とてもスタイリッシュです。
どうして縫い目を減らすことができるのかと言うと、「ノーステッチ加工」または「シームレス加工」と言われる新技術を採用しているためです。
このシームレスダウンですが、この技術、加工が用いられることで、大きなメリットとデメリットが生まれています。
メリットは、縫製のための針や糸を用いず樹脂を使って圧縮する方法を採用しているため、そもそも穴が存在せず、暖かさはそのままに撥水、防風、軽量化を実現。さらに、経年によって広がってきてしまう針穴の吹き出しも心配ありません。
デメリットは寿命が短いこと。圧着に主に用いられる樹脂の「ポリウレタン」が、空気中の水分や熱や紫外線などに少しずつ分解されてしまうためです。
シームレスダウンのメリット、デメリットですが、キルティング加工がないことでスタイリッシュに見えること、すでにシームレスダウンは安価な製品が出回っているので、数年で新しく買い直して良いのであれば、購入するのも手です。
また、クリーニングに出しづらいというのも昨今話題になっているデメリットの一つではあります。
圧着されている部分がクリーニング時にはがれてしまうケースが発生するため、お店側も受け付ける際に注意点として了承を得た上で引き受けるケースが多いようです。
ダウンジャケットを選び時に知っておきたい4つのポイント
ダウンジャケットがどんなものなのかが分かったところで、自分のお気に入りの一品を探す際に知っておきたい4つのポイントをお伝えします。
ポイント1 ダックとグースならグースの方が高品質

ダウンジャケットに使われる羽毛は大別して「ダック」と「グース」の2種類があるとお伝えしましたが、それぞれどのような違いがあるのでしょうか。この違いに触れる前に、違いの理解を深めるために、なぜ羽毛が暖かいのかについて簡単にご説明します。
たくさんの羽毛を集めると大きな空気層(デットエアー)が生まれますが、このデットエアーが断熱層となり、体内からの熱を逃しにくくするのです。これが羽毛が暖かい理由です。ちなみに、デットエアーは羽毛が大きければ大きいほどたくさん含まれることになります。
ここで「ダック」と「グース」の違いについて話を戻しましょう。ダック(あひる)とグース(ガチョウ)ではグースの方が身体が大きいのはご承知の通り、それにともないグースはダックよりも羽毛も大きいためデットエアーがたくさん含まれます。加えて羽が大きいため、ダウンに詰める羽の量が少なくて済むため全体に軽量に仕上がります。つまり、グースの方が軽量かつ暖かいのです。このためグースは高品質とされるのです。
予算の問題もあるので、簡単にグースのダウンジャケットを選ぶことは難しいですが、それぞれ、このような特長の違いがあることは商品選定の際に覚えておくと良いでしょう。
ポイント2 フィルパワー(FP)っていったい何?
ダウンジャケットについて調べていると、タグなどに「FP」と書かれていることに気づく方もいるかもしれません。このFPとは正式名称をFill Power(フィルパワー)と言い、詰めている羽毛の体積を表しています。このFPは数値が高ければ高いほど、羽毛の体積が大きく、つまり暖かく良質なダウンジャケットであると判断されます。
一般的にはFPが600以上のものが良質、700のものが超良質と呼ばれますが、500と700で体感的な差があるかと言うと、そうでもありません。一つの指針であること、あるいはFP値が高い方が軽いのにより暖かいという程度に覚えておいてください。
ポイント3 防風性に影響を及ぼす表面の生地
ダウンジャケットの詰め物が暖かさを保つものであれば、冷たい外気から身を守る「防風性」は表面の素材がその大半を担います。
一般に綿やウールなどは風を通しやすく、ポリエステルやナイロンは風を通しにくいと言われていますが、例えば極寒地での使用などでは、タウンユースなのであれば自分好みのデザインなどを重視してナイロン以外の素材を選択するのもありでしょう。
ポイント4 防寒か使い勝手かで選択肢が変わる構造部
登山など厳しい環境下で使用されるアイテムであるからこそ、アウトドア仕様などになれば、細やかな仕立て、構造に驚かされます。一例を挙げればアウトドア仕様となれば、フロントファスナーの裏表にウィンドストッパーと呼ばれるファスナー部から外気が入ることを防ぐ生地が縫い付けられています。さらに、袖口などもリブ加工になっており、ベルクロで袖口を調整できるようになっています。このように、至る部分に寒気の入り込みを防ぐ仕掛けがあります。
一方、タウンユースであれば、そのあたりはあまり気にせず、グローブ(手袋)をしたまままでも中身が取りやすい口の大きなポケット部分などを意識しながら選んでみても良いかもしれません。
洗濯できるって本当? ダウンジャケットの手入れの仕方

シーズンオフにはクリーニング屋へ直行し、次のシーズンまでダウンジャケットを眠らせている方も多いでしょう。また、ダウンジャケットにシミなどをつけてしまっても、都度、クリーニングに出すのはもったいないと、シーズン中、シミがつきっぱなしの方はいませんか? ここでは自宅でもできるダウンジャケットの選択方法、手入れの仕方をご紹介します。
*自宅で洗濯できないタイプもございます。あらかじめご確認の上、自己責任で洗濯をお願いします。
ダウンジャケットのお手入れの仕方
まずは普段の保管方法です。ポイントは湿度と復元力の管理。クローゼットの中でハンガーにかけたダウンジャケットは、メッシュや不織布など通気性のある大きめの袋に入れて、湿気がたまらないようにして保管をすることが大事です。
また、詰め込まれている羽毛をしっかり膨らませてあげた状態で収納しましょう。なぜなら羽毛の保温性は復元力が重要なため、保管時はなるべく膨らんでいる状態でしまっておいた方が、保村性が保たれるのです。
覚えておきたい洗濯表示の見方
さて、いよいよ自宅でダウンジャケットを洗う方法について説明する前に、とても大事な洗濯表示についてチェックしておきたいと思います。
そのダウンジャケットが洗えるかどうかは、洗濯機マーク(大きめのバケツのようなアイコンに水がなみなみ入っているもの)、あるいは手洗いできるマーク(同じく大きなバケツのようなアイコンに手が入れられているマーク)の有無で、これがあれば問題なく自宅でも洗濯できます。
(例)



もう一つ、洗う前に気をつけておきたいのが表面の素材。ウールのものは洗うと縮む可能性があるため、自宅での洗濯はあまりおすすめできません。レザーダウンジャケットも避けておきましょう。
自宅で洗う場合のポイントと注意点
いよいよ洗濯する方法をお伝えします。手洗いと洗濯機の方法で異なるので、それぞれ工程に沿ってご紹介します。
手洗いの場合
1 前ボタンやファスナーなどをしっかり閉めて、形を整えて折りたたむ
2 必ず専用洗剤を用意すること。普通の洗剤を利用する方もなかにはいますが、色あせや縮みにつながる可能性があるためおすすめできません
3 30度ぐらいのぬるめのお湯に分量通りの洗剤を入れて、折りたたんだダウンジャケットを入れて力を込めず、そっと押し洗い(全体に洗剤が混じったお湯が浸透するようにする)する。洗いすぎ、力の入れすぎは厳禁で、2、3回優しく押し洗いすれば十分です。その後、水を換えて同じようにダウンジャケットを押し洗い、泡がなくなったら泡抜き完了です。
4 洗剤が抜けたら、ダウンジャケットを押すようにして水を抜きましょう。この時、絶対に絞らないでください。型崩れや羽毛が縮れたりしてしまいます。水分が抜けたらダウンジャケットの下に大きめのバスタオルなどを広げて、そこに水分を吸わせるように置いて、乾燥させましょう。
5 水分が抜け切ったらハンガーに吊るして風通しの良い日がけや室内などで乾かしましょう。これで完了です。
洗濯機の場合
1 ダウンジャケットのボタンやファスナーなどをしっかり閉めて、形を整えたら洗濯ネットに入れます。
2 全体が浸るくらいのぬるま湯を用意したら、そこにまずは専用洗剤を入れます。洗剤を入れたぬるま湯にダウンジャケットを投入。数回、押すようにぬるま湯の中に浮かないように鎮めてください。
3 洗濯モードは「手洗い」か「ドライ」にすること。脱水は1分以内にしてください。
4 洗濯完了後は、羽毛の偏りなどを直し、形を整えて、やはりハンガーに吊るして、風通しの良い日陰か室内干しで乾燥させてください。
手洗いでも洗濯機でも、干す際にタウンの偏りを直すことが重要で、そのまま乾燥させると固まってしまうので注意しましょう。
人気のダウンジャケットブランドを一挙、解説
ダウンジャケットはボリュームがあるだけでなく、カジュアルな印象が強いため、コーディネートに悩む人も多いことでしょう。また、選ぶブランドによってデザインや機能性も違ってくるため、自分に合ったブランドを選ぶことも大切です。
ダウンジャケットを取り扱っているブランドはさまざまですが、ここでは人気ブランドのダウンジャケットをご紹介します。
ノースフェイス
ダウンジャケット RIMO Jacket
中綿に蛇腹状の化繊を使用したインサレーションジャケットです。停滞時でも温かい上、軽量でストレッチ性にも優れています。また、汗や湿気、雨などの水濡れにも強いためアウトドアにも最適です。

コロンビア
ワイルドカードダウン JK EE0901 010
防水透湿機能を使った暖かな着心地のダウンジャケットです。

モンベル
ダウンジャケット パーマフロストダウンパーカ
ボックス構造により抜群の保温性を発揮してくれるダウンジャケットです。デザインもシンプルなので普段着はもちろん、スーツやビジネスウェアにも合わせやすいでしょう。

マムート
ダウンジャケット Whitehorn Pro IN Hooded Jacket
こちらのダウンジャケットはハイネックタイプになっており、首元までしっかりとカバーすることが可能です。また、内側と外側の両方にファスナーポケットがあるので、ちょっとした小物が収納できるのも魅力といえます。

ナイキ
ダウンジャケット NSW AOPフードダウンJKT
全面にカモプリントが施されたなんともナイキらしいデザイン。軽量であるにもかかわらず保温性に優れており、ストリートスタイルにも最適です。

アディダス
ロングコート Long Light Down Parka
80/20ダウンを使用した保温性の高いロングダウンジャケットです。撥水加工を施しているため、軽い雨にも対応することが可能。また、スリットタイプで動きやすいのも特徴です。

アンブロ
ロングコート 中綿ロングコート UMWOJK43
アンブロのダウンもロング丈が基本です。こちらのデザインはスポーツ好きな女性がコンセプトになっており、動きやすさと保温性の両方を兼ね備えています。また、ミニドットドビーウーブンを採用しているので、防風や撥水性にも優れています。

アシックス
ロングコート LIMOリモ フード中綿ロングコート
防寒ウェアとして様々なシーンで活躍してくれるセミロングコートです。適度な防風性と口元までカバーできる高めの衿により、体温をしっかりと維持することができます。また、フィット感も調整できるようになっているので、どんなシーンでも快適に過ごすことができるでしょう。

男女別、ダウンジャケット着こなし術
ここからは、ダウンジャケットの着こなし術を男女別でご紹介していきます。
コーディネートのコツ
一見コーディネートが難しそうなダウンジャケットですが、実はきれいめからカジュアルまでいろいろなスタイルに合わせることができます。とはいえ、男性と女性で着こなし方が変わるので、自分に合った着こなしパターンを知ることが大切です。
メンズの着こなし方
メンズコーディネートのコツは、主に以下の3つです。
- 細身のパンツを合わせる
- インナーは引き締めカラーを選ぶ
- インナー・ボトムを同系色にする
細身のパンツを合わせてみる
ダウンジャケットはボリュームがあるため、細身のパンツを合わせることでコーディネートにメリハリをつけることができます。また、全体的にスッキリ見えるので、「スタイルが良い」「おしゃれ」といった印象を与えます。
逆に、太めのパンツを合わせたい場合は、細身のダウンジャケットを選ぶようにするのがおすすめです。
インナーは引き締めカラーを選ぶ
白や黄色といったインナーを選ぶとどうしても膨張してしまうため、スッキリと着こなしたい場合は黒や青などの引き締めカラーを選ぶようにしましょう。また、これはダウンジャケットにも同じことがいえます。
インナーとボトムスの色合いを同系色にする
インナーとボトムスを同系色にすると、縦のIラインが強調されるのでスッキリと見えます。また、全体的にまとまりが出て清潔感やさわやかな印象を与えることができます。
レディースの着こなし方
レディースコーディネートのコツは、主に以下の3つです。
- スキニーに合わせる
- デコルテが見えるインナーを選ぶ
- 柄物を合わせる
スキニーにあわせてスタイルアップさせる
女性の場合も、ボリュームのあるダウンジャケットをスッキリ着こなすためには細身のパンツを合わせることが大切です。スキニーであればショート丈はもちろん、ロング丈のダウンコートもスタイリッシュに着こなすことができます。
デコルテの見えるトップスで重たすぎない印象に
ダウンジャケットはカジュアルな印象が強いですが、デコルテが見えるインナーを選ぶことで女性らしい印象に仕上げることが可能です。また、羽織るような感覚でコーディネートすれば、ダウンジャケット特有の重圧感も軽減できます。
柄物とあわせてこなれ感を出す
ダウンジャケットが無地であれば、柄物のトップスやボトムス、靴などを合わせるのもおすすめです。花柄やチェック、レオパード柄など、合わせる柄や色によっても印象が変わるので、自分好みの柄を合わせて個性を出してみるのも良いでしょう。
まとめ
ここまで、ダウンジャケットの選び方やコーディネートのコツについて解説してきました。ダウンジャケットはボリュームがあり、カジュアルな印象が強いですが、デザインや着こなし方によって幅広いシーンで使用することが可能です。防寒性にも優れていますので、ぜひ自分に合ったダウンジャケットを選んで、寒い冬をおしゃれに乗り越えましょう!